みなさん、こんにちは。大西常商店で若女将をしております大西里枝と申します。
扇子のふるさとは日本ですが、中国へは献上品として納められ、その後大航海時代を経て世界へと広がっていきます。現在でも扇子の製造を行っている国をご存じですか?
- 中国
- フランス
- スペイン
この三か国です!ヨーロッパの二か国が入っているのは意外ですよね。今日はそのルーツや特徴を探ってみます!
中国
百均や雑貨量販店などでみられる格安のお扇子をご覧になったことはあるかと思いますが、その多くが中国で製造されています。量産体制が整っている中国では、今も多くの扇子が製造されています。中国の北宋時代に日本から扇子が献上されたことが分かっています。
フランス
皆さん、マリー・アントワネットという映画をご存じでしょうか。ソフィアコッポラ監督が指揮をとった映画ですが、この映画の中にもものすごい数の扇子が出てきます。それもそのはず、17世紀のパリにはなんと150件もの扇子屋があったそうです。なんと扇子協同組合も発足していたそうで、その繁栄ぶりがよくわかります。かつての平安時代の日本と同じく、上流階級のアイテムでした。扇言葉といって「言葉を発さずに扇を使ったジェスチャーでコミュニケーションをとる」という文化もあったそうです(すごく面白いので、次のコラムで記載しますね)
素材としては主に絹やレースを貼ったものや、象牙や孔雀の羽根を用いた扇子も作られています。いわゆる高級品で、あまり一般市民が見る・使うことはありませんが、エルヴェ・オグエ扇子美術館という扇子専門の美術館では現在も豪奢なお扇子を見ることができるそうです。
スペイン
そして最後、スペインです。意外と思うかたもおられるかもしれませんが、スペインにはフラメンコがありますよね。こうした舞踊で使う扇子を中心に、飾る用の扇子や涼をとるための扇子など、いろいろな種類があるのが特徴です。また、日本の紙扇子とちがって、要がゆるめにつけてあるので、開ける時にシャーーーっと優雅に開くのも面白いです。フランスと違ってわりとお手頃な価格の商品が多いので、結構スペイン人は扇子を持ってます(伝聞ですが)
かつて日本では和紙を張った紙扇子しかなかったのですが、スペイン・フランスで生産された絹扇子を逆輸入したことで、絹扇子が日本にも浸透していきました。面白いですよね。
今回は、世界をめぐる扇子の歴史でした。世界の扇子もいいけど、日本の扇子も見てみたい!というかたはぜひこちらから!